意外と知らない!? 給湯器凍結の謎と解決策

更新日:2024.05.20

給湯器

冬になると気になってくるのが凍結!気温が氷点下近くになると道路が凍ったり、水道が凍結して使用できなくなったりと困ることが増えてきます。水道の凍結についてはご存じの方も多くおられると思うのですが、給湯器の凍結について考えたことはありますか?給湯器も実は凍結することがあります。給湯器が凍結するといったい暮らしにどんな影響があるのか、またなぜ給湯器が凍結してしまうことがあるのか、本当に凍結してしまったらどうすればいいのか。

給湯器の凍結の謎と解決策についてお話いたします。

水道の凍結については以下の記事をご覧ください。

水が出ない? 冬場の水道の凍結について

水が出ない? 冬場の水道の凍結について

意外と知らない!? 給湯器凍結の謎と解決策

水が出ない? 冬場の水道の凍結について

水が出ない? 冬場の水道の凍結について

給湯器はなぜ凍結するの?

給湯器も凍結することがあるわけですが、いったいなぜ凍結するのでしょうか。原因としては以下が挙げられます。

  1. 気温の低下
  2. 配管の不十分な断熱
  3. 水分の残留
  4. 給湯器の設計や構造

気温の低下

凍結の基本と言っても過言ではない気温の低下が一つの原因として考えられます。

水の凍結は、0度付近で起こりえます。ミヨシテックの所在地である寝屋川でも毎年雪が降ったり、積もるほどの環境になりますが、特に寒冷地域や冬季の寒冷地域では、外気温がさらに低くなり、給湯器の外部や内部に存在する水が凍結します。

給湯器は一般的に屋外に設置されることが多いので外気と直接接触する給湯器は外気温が極端に低くなると給湯器の外部の部分にも凍結が生じやすくなります。

また、給湯器は配管を介して水とガスを取り込んでいるので寒冷地域ではこれらの配管が露出していると外気温の低下により配管内の水が凍結する可能性があります。配管内で水が凍結してしまうと配管自体が損傷する危険もあります。

これらのように気温の低下が大きく凍結にかかわってきます。

配管の不十分な断熱

寒冷な気温が配管内に侵入し、内部の水を凍結させる可能性が高まります。給湯器は通常、断熱材で覆われていますが、長期間の使用や環境の変化によって、給湯器の外部に取り付けられた断熱材が破損したり劣化したりすることがあります。

また、給湯器が設置された場所や周囲の状況も断熱材の効果に影響を及ぼします。例えば、風通しが悪い場所、雪や雨風による外部からの影響が強い場所では給湯器の外部にある断熱材が効果的に機能しづらくなります。

断熱材の劣化が凍結につながる原因にもなるのです。

水分の残留

給湯器は通常、水を加熱して温水を供給するための装置です。しかし、給湯器の使用が停止された際にも内部に水が残ります。この水が凍結すると、給湯器内の機械部品(循環ポンプなど)や配管に圧力がかかり、破裂や損傷の原因となります。

給湯器には給水(お水)配管、給湯(お湯)配管、浴槽へのお湯張り配管がつながっています。

給水と給湯配管は水が満たされた状態なので、凍結すると体積膨張により、配管の接続部を破損させます。お湯はり配管に水が残っている場合、寒冷地域や冬季の低温状態で水が凍結する可能性があります。給湯器には基本的に電源をさしておくと、給湯器の主たる構造部分である缶体(燃焼部)は凍結予防ヒーターで保護されています。風呂循環ポンプ系は外気温3度以下で循環ポンプを回し、循環ポンプ内の水を浴槽へ排水します。それにより、ポンプを凍結の被害から守ります。給水配管・給湯配管については後程対処法をお伝えします。

上記の症状により、配管の凍結が起こります。

給湯器の設計や構造

ガス給湯器には基本燃焼部(缶体)を凍結防止するための機能が搭載されております。

お湯張り機能付きのタイプではふろ循環ポンプ保護の為、浴槽に残り湯がある場合には浴槽の残り湯を循環させる事で凍結を防止します。残り湯が無い場合には、一度循環ポンプを作動させてポンプ内の残り湯(水)を排出し凍結によるポンプ破損を防止致します。外気温が3℃以下になりますと作動し、機種によりましては台所リモコンの表示部に作動表示が出ます。上記機能(作動)は給湯器内部のみにて、給湯器に接続される給水(お水)配管、給湯(お湯)配管、追い炊き(お湯張り)配管には適用されませんのでご注意願います。給湯器下部に配管カバーや据置台を設置する事で、外気温の低下及び風による影響を低減する事が出来ます。低減させるには配管保温処理されている事が前提となります。

給湯器が凍結しているサインとは?

給湯器が凍結していると気付くサインとはなんでしょうか?

以下の状況が凍結のサインと言われています。

  1. 蛇口からお水・お湯が出ない
  2. 給湯器からの水漏れ【状況判断が必要】
  3. 給湯器リモコン表示

蛇口からお水・お湯が出ない

すべての蛇口からお水・お湯が出なくなると、給湯器内で何らかの問題が発生している可能性があります。

給湯器からの水漏れ【状況判断が必要】

給湯器周辺や配管から水漏れが発生することが、給湯器が凍結している状況と想定されます。凍結によって配管が破損すると、凍結解除後に給湯器下部からの水漏れ、配管継ぎ手からの水漏れが見られることがあります。

ただし、給湯器からの水漏れは凍結のみならず、他の原因も考えられますので「水漏れしているから凍結だ!」と一概には言い切れません。ほかの原因としては、経年劣化による通水部の銅配管部分のピンホール(穴)の可能性もあります。

給湯器リモコン表示

多くのガス給湯器には安全装置や制御機器が備わっており、その中の1つに凍結予防ヒーターがあります。センサーが異常を感知した場合には種別に応じて温度・時計表示部にエラー番号を表示する機能があります。凍結予防ヒーターが作動した場合、同時にふろ循環ポンプが作動する場合はあり、台所リモコンに表示が出ます。数字(2桁・3桁)のエラー表示などが出ている場合は何等かの不具合が発生している表示となります。その場合は適切な処置を受けるために専門家に相談しましょう。

給湯器の凍結が暮らしに与える影響とは?

給湯器が凍結したら実際暮らしにはどのような影響がでるのでしょうか。

給水供給の停止

給水(お水)は生活の中で重要なライフライン設備であり、皆さんが日々の生活を営む上で重要な要素です。炊事、洗濯、入浴、そして清潔を保つ手洗いなどに使用されていますね。この中で今の季節、帰宅後にご利用なりますお風呂の温かいお湯を作り出している給湯器にはお水が欠かせません。外気温の低下が一定温度以下になりますと水道配管の凍結が発生致します。電気とガスが供給されていても水道配管が凍結した場合には給湯器は作動(お湯を作る)する事が出来ません。その状態ではお湯の利用(台所・洗面・浴室)が出来ず、家庭内のさまざまな活動や家事が中断されます。これは特に寒い季節や凍結が起きやすい地域では深刻な問題となります。

給湯器の凍結を防ぐ方法

給湯器の凍結を防ぐ方法はいくつかありますのでご紹介します。

電源プラグは抜かない!

先程から述べております「凍結予防ヒーター」という凍結防止機能が作動するには、電気が通電されている必要があります。作動原理としましては、外気温が凍結する温度(約3℃)に近づくと、自動的にこれらの凍結防止機能を作動させ、凍結を予防します。そのため、給湯器の正常な動作を確保するためには、分電盤の電源がオンであることと、給湯器の電源プラグが差し込まれていることを必ず確認してください。これらの機能は電源が供給されていないと作動しません。

 但し、この機能は給湯器内部の重要部分(部品)の凍結防止を前提としており、給湯器に接続される配管(お水・お湯・お湯張り)の凍結防止に関しては効果を及ぼしません。各種配管への凍結予防には保温材や電気ヒーター設置による凍結防止措置が必要となりますので、相談頂ければと思います。

少し流水させる

水が流れていれば、凍結はしないので特に冷え込みが厳しい場合は、お風呂のお湯側の水栓を開け、少し流水させてください。その際、給湯器リモコンの電源スイッチ(リモコン電源オフ)を切ってください。サーモスタット式水栓という水圧・水流が変化した時でも、自動的に湯水混合割合を調節し温度を一定に保ってお湯が出る水栓をお使いの場合は、水栓の温度調整ハンドル(サーモスタット)で最高温度の位置に設定し、水を流し続けてください。

浴槽にお湯や水をはっておく

浴槽にお湯や水をはっておきましょう。追い炊き機能付きの給湯器の場合は、機器に搭載されているふろ循環ポンプを作動させ、浴槽の水を定期的に循環させることにより、ふろ配管及びふろ循環ポンプの凍結予防運転をおこないます。貯めておいたお水は凍結した場合にはトイレの排水等に利用が出来ます。

長期外出する場合

年末年始などで長期外出される場合は、水道メーター横のバルブを閉めて建物への給水を止めてください。 不意の漏水や凍結トラブル時、長期間漏水し続けることを防ぐことができます。

凍結したときの対処法

気づいた時には時すでに遅し・・・。そんな場合の対処法をお教えいたします。

給湯器リモコンスイッチをOFFにする

お湯も水も出なくなった場合は凍結の可能性が高いので給湯器のリモコンスイッチをOFFにしてください。ここでの注意点はあくまでもリモコンスイッチの電源で、給湯器本体のコンセントなどは抜かないようにしてください。また、リモコンがない給湯器の場合はガスの元栓をしめましょう。

自然解凍を待つ

気温が上昇し凍結部分が自然解凍されるのを待ちましょう。自然解凍がされた後、水漏れがないかも確認しておきましょう。

凍結の際によく起きる現象としましては、開けた蛇口の締め忘れです。

蛇口をひねってもお湯(お水)が出ない事から閉め忘れる事が多く見られます。閉め忘れていますと、自然解凍した時に突然蛇口から吐水(水が出る)されて思わぬ水漏れになる場合がございます。また、凍結している配管に熱湯をかける等の行動は厳禁です。急激な温度変化により配管に亀裂が入り漏水に繋がる等の二次被害が予測されます。

凍結したときの応急処置法

どうしても復旧するまで待てない!今すぐ使用したい場合の応急処置手順をお教えいたします。

  1. 給湯器リモコンのスイッチを切ります。(リモコンがない場合はガス元栓を閉める)
  2. お湯が出なくなった蛇口レバーをどこか一か所開けておきます。
  3. 給湯器付近にある給水バルブ部周りにタオルなどを巻き、ぬるま湯(30℃~40℃)を根気よくかける。
  4. 再び凍結を防ぐためにお湯をきれいにふき取りましょう。
  5. 給湯器本体から水漏れがないか確認しましょう。

この手順の最大の注意点は!!!

絶対に熱湯をかけないでください!!!熱湯を直接かけてしまうと給水管や蛇口が破裂する恐れがあります。破裂するともちろんけがをする可能性もあり、そして修理も必要になります。そうなると身体もお財布も傷だらけになってしまうので絶対に熱湯だけは絶対にかけないでください!

大事なことなのでもう一度言います!熱湯はかけないでください!!

さいごに

ここまで読んでくださりありがとうございます。

万が一、給湯器で凍結が起こってしまった場合は、応急処置をしたとしても念のため、専門業者に依頼し最終的には点検や調査をしてもらうことをお勧めします。

また、給湯器の凍結に限らず、給湯器の故障は生活に大きな影響を及ぼしますので、普段からのメンテナンス、壊れる前のお取替えをお勧めいたします。

給湯器で困ったことはミヨシテックへご依頼ください。

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