洗面台は毎日使うため、適切でない高さのまま使い続けると、体に負担がかかるといった不都合が発生する場合があります。そのため洗面台を選ぶ際には、利用する人の身長に合う適切な高さを押さえておくことが大切です。
本記事では洗面台の適切な高さの目安、高さが合わない場合に起こりやすい不都合や対処法、高さ選びの基準となる数値などを解説します。
目次
高さが合っていない洗面台を長期間使用し続けると、さまざまな面で不便や不都合が生じる可能性があります。ここでは、洗面台の高さが高過ぎる場合、低過ぎる場合それぞれに生じる具体的な不都合について説明します。
洗面台が高過ぎると、次に挙げるような問題が発生しやすくなります。
まず洗面ボウルがあまりにも高い位置にあると、手の平を肘より高く持ち上げなければなりません。そのため、手を洗う際や洗顔時に、手の平から肘に掛けて水が滴ってしまいます。
また肩が上がった姿勢で洗面台を使い続けることで、肩こりなどの要因にもなります。
さらに洗面台が高いと必然的に収納棚も高い位置になり、物の出し入れ時に手が届きにくい、何が入っているのか見づらいといった不都合も発生するでしょう。
洗面台が低過ぎる場合、洗面や手洗いなどの際に腰をかがめて使うようになります。無理な姿勢を保つことにより、腰に与える負荷が大きくなり、腰痛の原因になりかねません。特に古いタイプの洗面台は、昔の日本人の身長を基準に低めに設定されているため、ある程度身長が高い方が使うと低く感じるかもしれません。
また低過ぎる洗面台を長期間使用していると、背中を丸める癖がついてしまうこともあります。洗面台が低くて使いにくいと感じたら、身長に合う高さの洗面台へのリフォームを検討すると良いでしょう。洗面台をリフォームする場合、使い慣れているためにこれまでと同じ高さを選びがちですが、身長を考慮して再度検討し直した方が賢明です。
ここでは、既に使っている洗面台の高さが合わないときの対処法を紹介します。
家族の中に身長の低い人や小さな子どもがいる場合は、洗面台が使いやすくなるように踏み台を使って調整すると良いでしょう。成長に合わせて使える段階式のタイプや滑り止め機能のあるものなど、さまざまな踏み台があるので、ニーズに合わせて選ぶようにしてください。使わないときはコンパクトに収納できる、折り畳みタイプの踏み台もおすすめです。
また、踏み台を使うほどではない場合は、厚底スリッパを履く、厚めのマットを敷くなどの対処法もあります。厚底スリッパなら身長に合わせて高さを調節できて便利です。厚めのマットは、水が跳ねることを考慮して撥水加工のものを選ぶと良いでしょう。
洗面台の高さが合わない場合は、水栓のみを付け替えて対処することもできます。洗面ボウルの高さは問題なくても、水栓が使いにくいケースにおすすめです。例えば、身長が低くて水栓に手が届きにくいときは、水栓の位置を低くします。反対に水栓が低過ぎて使いにくいなら、水栓の位置を高く付け替えることで使いやすくなります。
水栓部分だけを交換する方法なら、洗面台本体を交換するよりも大幅に費用を抑えられます。ただし水栓だけを替える際は、元の水栓と同じタイプを選ぶようにしましょう。手動から自動など異なる機能の水栓を付け替えようとしても、交換できないことがあるため注意が必要です。
家族の一部の人だけでなく、全員にとって洗面台の高さが合わない場合は、洗面台本体を交換するのも有効な対処法です。洗面台を設置してから長期間にわたって使っている場合は、あちこちに経年劣化による不具合が出始めていることも考えられます。複数の部品や洗面ボウルが劣化している可能性もあるため、リフォームを視野に入れると良いでしょう。
洗面台本体を交換する際は、専門業者による工事が必要です。水道の配管工事や電気工事をする場合は水道・電気それぞれ規定の資格が必要なため、資格を持たない人がDIYで対処することはできません。洗面台本体をリフォームする場合は、専門業者に相談しながら進めるようにしましょう。
適切な洗面台の高さを決めるには、「身長÷2」の計算式が基準となります。
一般的に、洗面ボウルまでの高さは75cm・80cm・85cmの3パターンが用意されていることが多く、先の計算式から考えるとそれぞれ使いやすい身長の目安は以下のとおりです。
上記はあくまでも目安となるため、現在使っている洗面台の高さと使用感を考慮しながら決めましょう。参考までに、公共の施設ではさまざまな人が洗面台を利用するため、75~80cmを標準値としているケースが多いです。
洗面台の高さを決めるときには、先ほどご紹介した基準の他にもいくつかのポイントを意識して選ぶのがおすすめです。ここでは、家族間で身長差が大きい場合の選び方や、設置する場所の広さ・高さなどのポイントを解説します。車いすで洗面台を使う場合の選び方や、ショールームで実物を確認することの大切さも紹介しているので、洗面台の高さを決めるときの参考にしてください。
家族間や夫婦で身長が大きく異なるときは、高い人に合わせて洗面台の高さを選ぶのがおすすめです。身長が高い人が無理に低い洗面台を使うと、身体に負担がかかり腰痛などの問題が起きやすくなります。一方、洗面台の高さを身長の高い人に合わせる場合は、低い人が踏み台を使うなどして対処することが可能です。
家族に子どもがいる場合、成長して身長が伸びていくことを考えると、高い人に合わせる方が良いでしょう。踏み台で高さを調整する際は、使わないときに収納できるスペースを確保する工夫をしたり、折り畳めるタイプを選んだりするのがおすすめです。
洗面台をリフォームする際は、新しい洗面台の高さに加えて、設置する場所の間口や奥行きに合っているか事前に確認しておくことも必要です。洗面台よりも間口が広いと隙間が生じてしまうため、ほこりがたまりやすくなります。ほこりがたまることで掃除の手間がかかるだけでなく、物を落としてしまうと拾いにくくなり、不便です。
また洗面台の高さが合っていても、奥行きが深く水栓までの距離があると、使いにくくなる可能性もあります。このような不都合を設置後に感じることのないよう、洗面台を設置するスペースを前もって採寸しておくと良いでしょう。
一般的に、洗面台には洗面ボウルや化粧台の上部にミラーキャビネットが配置されています。洗面台とミラーキャビネットを合わせた高さは190cmが標準です。天井よりも高い場合はつかえてしまい設置できないため、洗面台の上部までの高さも考慮しなければなりません。また天井までの高さが十分で問題がなくても、設置するスペースの上に天井の梁など障害になるものがないか確認しておくことも必要です。
洗面台の設置スペースや高さを事前に測り、さらにキャビネットの上部まで手が届くかについてもチェックしておくと良いでしょう。
自宅に車いすを使っている人がいる場合は、ユニバーサルデザインの洗面台がおすすめです。ユニバーサルデザインは、洗面ボウルの下に空間があり、車いすに座っている人がぶつからないなど、身体が不自由な人が利用しやすい設計になっています。
洗面台の中には「要介護2まで対応」など、介護が必要な人に向けて目安になるものが示されているものもあります。介護される人や介護者が洗面台を選ぶ際は、ユニバーサルデザインの製品を視野に入れると良いでしょう。
先述したように、一般的に適切とされる洗面台の高さは、身長の半分とされています。しかしいざ洗面台が設置されてみると、思っていた高さと違ったり奥行きが深過ぎたり、意外に使いにくいと感じることもあるかもしれません。洗面台の設置後に後悔することを防ぐには、事前にショールームへ足を運んで実物を確認すると良いでしょう。
ショールームで実物をチェックするのは、リフォームで洗面台周りの雰囲気を変えたいという方に特におすすめです。カタログなどを見て製品の写真やサイズだけで判断するよりも、設置後のイメージが明確になるメリットがあります。ショールームで実物を見ながら専門業者に相談してみましょう。
洗面台は一度設置すると、頻繁に変えられるものではありません。洗面台を選ぶ際は、製品ごとの高さや間口・奥行き・天井の高さなど、さまざまな観点から慎重に選ぶ必要があります。とはいえ設置するスペースに合うように選んだつもりでも、測定方法が間違っているのではないかと心配になることもあるでしょう。
洗面台選びに失敗したくない、自分で選ぶのは不安、という方は専門のリフォーム業者に相談して一緒に選んでもらうのがおすすめです。専門業者に依頼すれば、専門家の意見を聞きながら、個々のニーズや設置場所に合う洗面台を選ぶことができます。
洗面台を交換する際は、製品の高さはもちろん、天井高や設置するスペースの広さなどもしっかり確認することが大切です。洗面台の高さが合わないときには、踏み台を使う、水栓部分を交換する、洗面台をリフォームするなどの対処法を試してみてはいかがでしょうか。
洗面台の交換やリフォームを検討している方は、 ミヨシテックにぜひご相談ください。水回りのプロフェッショナルのミヨシテックでは、電話やLINE、お問い合わせフォームからお気軽にご相談いただけます。洗面台の困りごとやお客さまのニーズに合わせて、柔軟に対応します。