キッチンの換気扇・レンジフードを交換したい! 交換の目安や費用相場、選び方は?

更新日:2024.08.20

キッチン

キッチンの換気扇は、調理時に発生する油や食材の匂いなどを屋外に排出するために欠かせません。高頻度で使う機器のため、長年の間に調子が悪くなってくることもあります。換気扇の不具合に気付いたら、早めに対処することが大切です。

本記事では、キッチンの換気扇やレンジフードの交換を検討している方に向けて、交換する時期の目安や費用相場を解説します。新しい換気扇やレンジフードの選び方のポイントについても紹介しているため、交換する際にはぜひ参考にしてください。

キッチンの換気扇の寿命は何年?

キッチンの換気扇の寿命は、法定耐用年数である15年が目安です。長年使っていると経年劣化が進むため、キッチンの換気扇には他の家電と同じように耐用年数が示されています。ただし、使っている期間や使用回数によって寿命が異なるため、あくまで一つの目安として捉えておくと良いでしょう。

ただしキッチンの換気扇を10年以上使っている場合、耐用年数に満たなくても機能面などにさまざまなトラブルが発生する可能性もあります。使っていて何らかの不具合が出始めたら、10年程度を目安に新しいものに交換するのもおすすめです。キッチンの換気扇を10年以上使っていて、本来の性能が発揮できない状態であれば、交換することで換気機能が向上します。

キッチンの換気扇交換を検討するサインとは?

キッチンの換気扇を長期間使用すると、汚れや経年劣化によって複数のトラブルが発生することがあります。次のようなトラブルが起こった場合は、早めに換気扇の交換を検討する方が良いでしょう。

換気扇のトラブルには、本体のスイッチが壊れるケースやモーターの不調や故障などがあります。このようなトラブルが起こる主な原因は、放置した汚れや経年劣化です。

キッチンの換気扇に普段とは異なる何らかの異変を感じたら、放置したり無理に自分で対処したりせず、専門業者に相談するのがおすすめです。キッチンの換気扇で起こりやすいトラブルの詳しい内容については、次の項でそれぞれ説明します。どのようなケースが交換のサインなのかを確認しておきましょう。

換気扇から異音がする

換気扇の不調の中でも、運転中に異音が聞こえてくるケースがあります。例えば「ゴー」という音や「ズー」「カラカラ」「キュルキュル」など、不調の原因によって異音の聞こえ方はさまざまです。そのため、音の種類からある程度の原因を探ることも可能です。

換気扇の内部に油汚れなどがたまっている場合は、空気の通り道が狭まったことで「ゴー」という異音が聞こえます。換気扇内部のモーター周りが錆びているときには「ズー」、モーターに問題があると「カラカラ」「キュルキュル」などの異音が聞こえます。そのままにしておくと、モーターの異常による過熱や発火の可能性もあるため、適切に対処しましょう。

換気機能が低下している

換気扇のスイッチを入れても空気の吸い込みが弱い、調理時の湯気がうまく排出されないなどの症状があると、本来の換気機能が十分に発揮されません。

換気機能が低下する原因の一つは、換気扇内部に汚れやほこりがたまり、モーターがうまく回転していないケースです。この場合は、汚れを掃除することでモーターがスムーズに回るようになります。掃除しても改善しないときは、専門業者に相談するのがおすすめです。

フィルターが汚れているときはフィルター掃除、エアコンや扇風機などの風が換気扇に当たっている場合は風の流れを変えるなどの対処をしましょう。

キッチンの換気扇とレンジフードの違いとは?

キッチンの換気扇が寿命を迎えて新しいものに交換する時期になったら、レンジフードも選択肢に入れると良いでしょう。換気扇とレンジフードの主な違いは、ファンの形状や排気の仕組みです。

換気扇のファンはプロペラ状で「プロペラファン」と呼ばれており、回転によって屋内の空気を屋外に排出します。レンジフードの場合は、空気を排出するのは筒状の細長い羽根がある「シロッコファン」です。

壁に直接取り付ける換気扇は、プロペラファンによって排気されます。ファンにフードが取り付けられているレンジフードには、排気を通すためのダクトがあるのが特徴です。レンジフードの場合は、換気扇とは異なりダクトが空気の通り道になります。

このように、換気扇とレンジフードにはカバーの有無や排気方法の大きな違いがあります。ご自宅のニーズに合わせて選ぶと良いでしょう。

換気扇のメリット・デメリット

換気扇の排気方法はプロペラファンタイプが主流です。プロペラファンは、プロペラが回転することで油煙などが混じった空気を屋外に排出します。ここでは、換気扇の特徴から生まれるメリット・デメリットについて説明します。

換気扇はキッチンの壁に直接取り付けることから、工事が簡単なことが大きなメリットです。換気扇を設置する際にはレンジフードよりも安い工事費用になり、初期費用を抑えられます。シロッコファンとは異なり、直接排気するため換気能力が強いことや、コンパクトな形で場所を取らない点もメリットといえます。

換気扇のデメリットは、設置する環境に配慮が必要な点です。設置するキッチンが屋外に接している他、マンションなどの集合住宅では隣接する建物との距離にも配慮が必要となります。また換気扇を設置した壁に向かって強風が発生している場合は、排気能力への影響も避けられません。

レンジフードのメリット・デメリット

シロッコファンタイプが主流のレンジフードには、換気扇とは違ったメリット・デメリットがあります。

レンジフードはダクトを通して屋内の空気を排気するため、換気扇のようにダイレクトに屋外の環境に影響を受けることがありません。またダクトで排気する仕組みのレンジフードは、壁に接していなくても設置可能です。そのため、設置する場所を選ばないというメリットもあります。さらに、スタイリッシュで多様なデザインがあることから選択肢が広がり、好みに合う製品を選びやすい点もレンジフードのメリットです。

レンジフードのデメリットは、換気扇よりも大型になるため機器のサイズに合う設置スペースの確保が必要になることです。換気扇と比較すると費用が高額になり、初期費用がかかることもデメリットになるでしょう。また換気扇よりも部品が多く、製品の仕様によっては掃除が大変になる場合もあるため、掃除しやすいタイプのレンジフードを選ぶなどの工夫をすると良いでしょう。

レンジフードを選ぶ人が増えている

従来の換気設備で主流になっていた換気扇ですが、昨今ではレンジフードを選ぶケースが多くなってきました。レンジフードは、年々デザインや機能が多様になり選択肢が豊富になっています。キッチン全体の雰囲気やカラーなどに合うものを選べるのが大きなメリットです。デザイン性や機能性のニーズに合わせて選びたい場合はレンジフードがおすすめです。

コンロと連動する機能が搭載されたレンジフードも販売されていて、キッチンのリフォーム時にセットで購入するとお得になるケースもあります。施工費用も抑えられるなどのメリットもあるので、業者に相談すると良いでしょう。

レンジフードの種類とは?

レンジフードには深型、浅型、薄型の3種類があります。

深型(ブーツ型)

下の方が広いブーツのような形状をしたカバーが設置されている深型は、近年では主流になっているレンジフードです。換気口が広いため、煙や蒸気を吸い込む能力が高いメリットがあります。シンプルなデザインでどのようなキッチンにもなじみやすく、価格も手頃です。ただし、機能性が他のタイプよりも低く、フィルター掃除に時間が掛かる点はデメリットになるでしょう。

浅型(フラット型)

浅型は厚みが少ない形で、狭いキッチンや天井高が低い場合でも設置できます。設置後に圧迫感を覚えることもないため、コンパクトサイズのレンジフードを選びたい場合におすすめです。ただし、掃除の際には真上を見ながら作業することになり、機器の構造も複雑で手入れが大変になるというデメリットもあります。

薄型(スリム型)

フード部分が薄くおしゃれな印象の薄型は、近年注目されているタイプのレンジフードです。シロッコファンが中心で、デザインや機能性が多様で選びやすくなっています。価格は他のタイプよりも高めですが、機器内部の凹凸が少なく掃除がしやすいメリットもあります。

キッチンの換気扇・レンジフードを交換する費用相場は?

キッチンの換気扇・レンジフードを交換する費用は、購入する製品や施工内容によって変わります。ここでは、レンジフードのパーツを交換するケースと本体を交換するケースに分けて費用相場を説明します。換気扇の場合は、換気扇からレンジフードに交換するケース、換気扇やレンジフードを含むキッチン全体をリフォームするケースの費用相場です。

レンジフードのパーツを交換する費用相場

レンジフードのパーツ交換が必要になる可能性が高いのは、モーター、スイッチ、ファンの3箇所です。一般的には本体を交換するよりも費用相場は安くなるでしょう。

不具合のあるパーツによって費用は異なりますが、おおよそ15,000〜35,000円程度が目安となります。例えば、ファンは15,000~25,000円程度、モーターは25,000~35,000円程度、スイッチは15,000~30,000円程度が交換する際の費用相場の目安です。どのパーツの場合でも、不具合に気付いたら使うのをやめて、早めに専門業者に相談して修理しましょう。

レンジフードの本体を交換する費用相場

レンジフード本体の費用相場は選ぶ機器の機能性にもよりますが、10万〜20万円程度がおおよその費用相場です。この費用相場には、新しいレンジフードの購入価格に加えて、設置する際の工事費用も含まれています。

レンジフード本体のみの交換は、キッチン全体をリフォームするよりも安くなるのがメリットです。ただし設置するキッチンのスペースによっては、新たな工事内容が追加されるケースもあります。予定にはなかった材料費や工事費が必要になる場合もあるので、業者に見積もりを依頼してチェックしておきましょう。

換気扇からレンジフードに交換する費用相場

既存の換気扇をレンジフードへ交換するには、排気するためのダクトを新たに設置しなければなりません。そのための工事費用が掛かるため、他のケースの費用相場に比べると高くなります。キッチンの状態や工事内容により費用は異なりますが、6万〜10万円程度を見ておくと良いでしょう。

また、撤去する換気扇と違う場所にレンジフードを設置する場合は、穴を空けるための工事費用が追加されます。購入するレンジフードを高機能にするなど、さらに費用が掛かることも考慮すると、換気扇からレンジフードへ交換するケースでは、余裕のある予算を組んでおくのがおすすめです。

換気扇・レンジフードを含むキッチンのリフォームの費用相場

これまで設置されていた換気扇を新しいレンジフードにするだけでなく、キッチン全体をリフォームするケースもあります。現在のキッチンの場所やスペースでは希望のレンジフードを設置できず、キッチン全体のリフォームが必要になる場合です。また、キッチン自体が経年劣化してリフォームが必要になっているタイミングで、併せて工事をする方が良いでしょう。

換気扇とレンジフードを含むキッチンのリフォームに掛かる費用相場は、メーカーやキッチンの状態によってさまざまです。おおよその費用相場としては、90万〜150万円程度を見ておくと良いでしょう。

交換する換気扇・レンジフードの選び方

新しい換気扇やレンジフードを選ぶ際には、知っておきたい大切なポイントや注意すべき点があります。まず、交換する換気扇やレンジフードの横幅と高さが、これから設置するスペースに合っているかを確認しなければなりません。

換気扇やレンジフードはキッチンに合うデザインを選ぶことも大切です。またフィルターの有無やセルフクリーニング、コンロとの連動など、搭載されている機能がニーズに合っているのかを検討して選ぶようにしましょう。

サイズ(横幅・高さ)

換気扇やレンジフードを交換するときには、事前に設置予定の場所のスペースやサイズを確認することが重要です。レンジフードを設置する場合は、購入する製品本体の横幅のサイズをチェックしておきましょう。レンジフードの横幅は、60cm、75cm、90cmの3つのタイプに大別されます。

レンジフードの幅や高さは、消防法や火災予防条例によって、設置する場所にあるコンロの大きさに伴い、最低限のサイズが決められています。火災を予防するために、レンジフードの幅はコンロよりも大きく、コンロからの高さは80cm以上なければなりません。

火災予防条例「条例第3条第1項第1号」

・レンジフード本体の幅および奥行きは、調理機器の幅および奥行きの寸法以上とすること

・レンジフードのグリスフィルターは調理機器表面から80cm以上離すこと

※参考:東京消防庁.「キッチンまわりの豆知識」. https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/topics/201808/KitchensKnowledge/index.html ,(参照2024-07-02).

デザイン

換気扇からレンジフードに交換する際は、好みやニーズに合うデザインから選ぶのも一つの方法です。先述したレンジフードの3つのタイプから、それぞれのメリットやデメリットなどを考慮して選ぶのが良いでしょう。

換気効率の高さを求めるなら、深型(ブーツ型)がおすすめです。高さやスペースに制限がある場合は浅型とフラット型なら設置できる可能性があります。掃除の手間が少なく機能性が高いことを重視する場合は、薄型(スリム型)が向いています。

機能

昨今のレンジフードには、さまざまな機能が付いている製品もあります。ここでは、フィルターレス、セルフクリーニング機能、コンロとの連動機能、それぞれの機能の特徴やメリットなどを説明します。求めるニーズに合わせて選ぶようにしましょう。

フィルターレス(ノンフィルター)

フィルターレス(ノンフィルター)は、油煙を整流版に当てて油を付着させる仕組みのレンジフードです。フィルターがないため、フィルター掃除が苦手な方や掃除の負担を減らしたい方に向いています。

フィルターレスの場合はトレイにたまった油分を捨てる仕組みですが、汚れたトレイの掃除は必要です。ただし掃除の手間がかかるフィルターよりは、油分を落としやすいというメリットがあります。定期的にトレイを掃除すれば、フィルター掃除よりは扱いやすいでしょう。

セルフクリーニング機能

セルフクリーニングが搭載されたレンジフードは、ファンとフィルターが一体化しているのが特徴です。トレイにお湯を入れておくと、ファンの下部3分の1程度を自動で浸け置き洗いします。洗浄ボタンをオンにするだけで油汚れが洗浄されるので、フィルター掃除の手間を削減したい人におすすめです。

ただしフィルター以外のレンジフード内部に汚れが付いたときは、手作業で掃除をする必要があります。また、セルフクリーニング機能に不具合が発生した際には、修理代がかかる点には注意が必要です。

コンロとの連動機能

コンロとの連動機能を搭載しているレンジフードは、コンロを使い始めると自動的に運転を開始します。レンジフード側のスイッチを押さなくても、連動してオンオフの操作ができるので便利です。

この連動機能は、コンロからの赤外線信号をレンジフードが受信して運転状況を調節する仕組みです。レンジフードとコンロをセットで購入するのが一般的ですが、共通または互換性のある信号ならば、違うメーカーでもほとんどのケースで問題ないでしょう。

キッチンのリフォームはミヨシテックにお任せ!

キッチンの換気扇やレンジフードに不具合が見られたら、交換する目安やサインを確認してから新しい製品を選ぶようにしましょう。換気扇とレンジフードの違いや、便利な機能などを含めながらニーズに合わせて選択するのがおすすめです。

ミヨシテックは、専門性の高い施工にも対応できる技術力に自信があります。高い対応力とスピーディーな作業に定評があり、ご依頼いただいた工事を適正に施工する事業者です。現地調査やお見積もりは無料なので安心です。換気扇やレンジフードを含めて、キッチンをリフォームするならミヨシテックにお任せください。