浴室乾燥機があると、外干しできない天気や深夜などの時間帯にも洗濯物を干すことができて便利です。ただし電気代が高騰している昨今では、浴室乾燥機の電気代はどれくらいかかるのか気になる方も多いでしょう。
本記事では、浴室乾燥機の電気代の計算方法、コインランドリーや洗濯乾燥機との比較を解説します。また、浴室乾燥機の電気代を抑えるポイントも紹介するので、参考にしてください。
目次
浴室乾燥機を賢く利用するために、まずは電気代がどれくらいかかるのかを押さえておきましょう。家電の電気代は、「1時間あたりの消費電力(kW)×使用時間×契約している電力料金単価(kWh)」で算出できます。
ここで、次の条件を想定して、1回あたりと1カ月あたり、それぞれの電気代を算出します。
電気代算出の条件
※全国家庭電気製品公正取引協議会が定める目安単価より
【1回あたりの電気代】
1,250W÷1,000×1h×31円/kWh=38.75円
38.75円×3h=116.25円
【1カ月あたりの電気代】
116.25円×15回=1,743.75円
上記の条件の場合、浴室乾燥機を1回使用したときの電気代は116.25円、1カ月あたりでは1,743.75円になりました。浴室乾燥機のメーカーや製品ごとにある程度の違いはありますが、おおよその目安になるでしょう。
浴室乾燥機を使用するときの電気代は、製品ごとの違いの他にも、洗濯物の内容や量によっても変動します。これは、洗濯物が乾燥するまでに必要な時間が異なるためです。
例えば、洗濯物1kgを浴室乾燥機で乾燥する場合の時間は1時間が目安とされています。気温や湿度、脱水状態などの条件によっても変化しますが、主な洗濯物の種類ごとの重量を目安にするとよいでしょう。
【洗濯物の重量】
重量 |
---|
綿の場合、70g |
混紡の場合、50g |
混紡の場合、400g |
綿の場合、500g |
綿の場合、300g |
綿の場合、各500g |
また、洗濯物の量は家庭ごとに異なるため、ここでは単身や2人世帯の洗濯物が少ない家庭、ファミリーなど洗濯物が多い家庭に分けて1カ月あたりの電気代を比較していきます。
【洗濯物が少ない2人世帯の場合】
1回あたりの洗濯物:2kg(1人1kg)
浴室乾燥機稼働時間:2時間
使用頻度:2日に1回(1カ月で15回)
38.75円×2h×15日=1,162.5円
【洗濯物が多いファミリー世帯】
1回あたりの洗濯物:8kg(1人2kg)
浴室乾燥機稼働時間:8時間
使用頻度:2日に1回(1カ月で15回)
38.75円×8h×15日=4,650円
浴室乾燥機の電気代をなるべく抑えたい場合、早く乾かしたいものや外では乾きにくいものだけ浴室乾燥機を使うなど、優先度をつけて浴室乾燥機を使うこともおすすめです。
洗濯物を乾燥する方法として、浴室乾燥機の他に洗濯乾燥機やコインランドリーが挙げられます。洗濯物を1時間乾燥するときの電気代について、浴室乾燥機と洗濯乾燥機、コインランドリーを比べてみましょう。電気料金単価などは前述と同じ条件で、算出します。
1,220W÷1,000×1h×31円/kWh=37.82円
1時間使用時の電気代は37.82円です。
1,135W÷1,000×1h×31円/kWh=35.19円
1時間使用時の電気代は35.19円です。
1,050W÷1,000×1h×31円/kWh=32.55円
1時間使用時の電気代は32.55円です。
1人分の場合は30分程度で乾燥すると仮定
100円×3=300円
表にまとめると、以下のとおりです。
乾燥機の種類 | 1時間あたりの電気代 |
縦型洗濯乾燥機 | 37.8円 |
ドラム型洗濯乾燥機(ヒーター式) | 35.2円 |
ドラム型洗濯乾燥機(ヒートポンプ式) | 32.6円 |
コインランドリー ※30分と仮定 | 300円 |
1時間あたりの電気代のみで比較すると、浴室乾燥機は1時間あたり38.75円となるため、洗濯物を乾かすための電気代は、浴室乾燥機よりも洗濯乾燥機の方が安く押さえられます。ただし洗濯乾燥機は、乾かせる衣類の容量に限りがあります。衣類の量によっては、何度も乾燥機を回す必要があるため、トータルの電気代は浴室乾燥機の方が安い場合もあるでしょう。
機種にもよりますが、浴室乾燥機にはさまざまな機能があります。例えば、乾燥・換気・暖房や涼風などです。これらをうまく活用することで、さまざまなメリットにつながります。
ここでは4つの代表的なメリットについて、詳しく解説します。
浴室乾燥機は、温風や空気の循環で洗濯物を乾かします。
熱だけで乾かす場合は、衣類の繊維が縮む可能性があります。また洗濯乾燥機を使うと、洗濯槽の強い回転力により衣類の繊維が傷んだりシワになったりする可能性もあるので、注意が必要です。
洗濯物を広げて温風で乾かせる浴室乾燥機は、傷みやすいニットや色落ちしやすいデニムなど、外干しができないデリケートな素材の衣類ダメージにも対応できるのがメリットといえるでしょう。
外干しで家族構成を知られることもないため、一人暮らしの女性にとっては防犯面でもメリットがあるといえます。
浴室乾燥機は、浴室の温度を自由に調整できます。そのため、衣類の乾燥に加え、浴室の冷暖房として利用できることもメリットの一つです。
冬の入浴時に前もって浴室を温めておけば、ヒートショックの予防になります。ヒートショックは、暖かいリビングから寒い脱衣所、熱い浴槽などのように、急激な温度変化があるとリスクが高まります。夏には温度調節を活用して涼風を使えば、熱中症の予防にもなるでしょう。
浴室乾燥機は洗濯物を乾燥させるだけでなく、温風によって浴室自体も乾かすことができます。カビは湿気を好むため、上手に活用すれば浴室全体のカビの発生を防止できるのも大きなメリットです。
浴室は水分をそのままにしているとすぐにカビが発生してしまい、増殖したカビをまとめて掃除するのは大変な作業です。そのため、入浴後の水分が残らないように浴室乾燥機を使って乾燥させ、カビ予防をしておけば清潔な状態を保てて掃除も楽になるでしょう。
浴室乾燥機を使うと多くのメリットが得られますが、どうしても電気代が気になってしまうものです。
ここでは、浴室乾燥機の電気代を節約しながら効率的に乾かすために、意識したいポイントを紹介します。
洗濯物をできるだけ早く乾燥させるには、衣類の干す間隔を空けて風通しを良くすることがポイントです。浴室乾燥機の場合も同様に、衣類の間隔をできるだけ空けて干す方が、早く乾いて電気代の節約になります。洗濯物が乾くまでに時間がかかるほど、嫌なにおいが付く原因にもなるため注意が必要です。
浴室乾燥機は温風を当てて乾かすため、厚手の衣類などの乾きにくい洗濯物は温風があたる位置に干すとよいでしょう。また、洗濯物の量が多いときには乾きやすい衣類を室内に干して、場所を分けるなどの方法もおすすめです。
浴室にサーキュレーターや扇風機を置いて風を循環させると、浴室乾燥機の温風が浴室全体にムラなく行き渡ります。洗濯物の湿気も取り除きやすくなるため、洗濯物が早く乾き電気代の節約につながるでしょう。サーキュレーターの電気代はさほど高くないため、効率良く乾燥までの時間を短縮できます。
サーキュレーターは送風を目的としているため、扇風機よりも強い風力で温風を循環させることに適しています。ただし、サーキュレーターがない場合は扇風機で代用しても問題ありません。
電力会社によっては、夜間の時間帯に電気料金が安くなるプランがあります。
夜の寝ている時間帯に浴室乾燥機を使えば朝には乾いている上に、電気代の節約にもなり一石二鳥です。ただし、電気料金プランを変更する前にシミュレーションをして、現在の電気代よりもお得になるのかを確認してから導入するのがよいでしょう。
浴室内が濡れたままの状態で浴室乾燥機を使うのは、避けましょう。浴室内に水気があると洗濯物が乾燥するまでに余計な時間が掛かってしまいます。入浴してから洗濯物を干す場合は、浴室内の水分をよく拭き取ってからにするか、入浴後によく換気してから浴室乾燥機を使うようにしましょう。浴室の水気を簡単に拭き取るために、水切りワイパーを常備しておくと便利です。
また、浴槽にお湯が残っている場合は、フタをしっかり閉めておくことも節約につながります。
浴室乾燥機には、ホコリ取りのためにフィルターが設置されています。このフィルターを定期的に掃除するのも、電気代を節約する方法の一つです。フィルターがホコリで目詰まりすると、送風機能の効率低下につながり、乾燥に時間がかかってしまいます。浴室乾燥機の稼働時間が長くなるほど電気代も高くなるため、定期的な掃除が必要です。
フィルター掃除の頻度は、浴室乾燥機のメーカーや製品にもよりますが、一般的には3カ月~半年に1回程度を目安にするとよいでしょう。掃除の方法は、取扱説明書を確認してからフィルターを取り外し、掃除機でホコリを吸い取ります。フィルターの周囲にホコリが付いている場合も、掃除機で吸い取ってください。フィルターに汚れが付いていて軽く水拭きしても取れないときは、水洗いしてからよく乾かしましょう。
浴室乾燥機は干したまま温風で乾かすので、比較的洗濯物のダメージを抑えられるのがメリットです。1時間当たりの電気代は洗濯乾燥機と比較するとやや高い傾向ですが、干し方を工夫したり浴室内を乾燥した状態で使ったりすれば、電気代を節約できます。
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