トイレの節水方法4選! 間違った節水方法や節水しても水道代が高い理由を解説

更新日:2024.04.18

トイレ

水回りでは毎日多くの水を使用しますが、その中でも比較的水の使用量が多い場所の一つにトイレがあります。トイレの節水は、月々ではそれほど大きな節約はできなくても、年間や10年単位で考えるとその効果は意外と大きいです。

本記事では、トイレにかかる水道代の目安やトイレの節水方法4選、間違ったトイレの節水方法、節水しても水道代が高い理由などを紹介します。

トイレの節水による水道代の節約効果は?

トイレの節水といっても、普段どの程度トイレで水を使っているかはイメージしにくいため、なかなかピンとこない方もいるかもしれません。まずは、平均の使用水量を基に、水道代の節約効果を考えてみましょう。

こまめに水を止める

これは基本中の基本ですね。水道を出しっぱなしにして洗い物をしてしまうとその分水道代が当然ながらかかってしまうので、面倒でも1回1回止めるようにしましょう。どうしても面倒なら、桶に水をためて洗うのもいいですね。

1カ月あたりの平均使用水量

東京都水道局が2020年に行った「生活用水実態調査」によると、世帯人数別の平均使用水量は、以下のようになっています。

世帯人数使用水量
1人8.1㎥(8,100リットル)
2人14.9㎥(1万4,900リットル)
3人19.9㎥(1万9,900リットル)
4人23.1㎥(2万3,100リットル)
5人27.8㎥(2万7,800リットル)
6人以上34.1㎥(3万4,100リットル)

また、2021年度に行われた「一般家庭水使用目的別実態調査」によると、家庭での水の使われ方は、以下のような結果となりました。(※)

  • 風呂:43%
  • トイレ:20%
  • 洗濯:16%
  • 炊事:15%
  • 洗面・その他:6%

どれくらいトイレで水を使っているかは家庭にもよりますが、一般的にトイレはお風呂に次いで多くの水を使っていることが分かります。

2人世帯で考えた場合、1カ月あたり1万4,900リットルの水を使用していることになりますから、トイレで20%の水を使用したと考えると、2,980リットルもの水を使っている計算です。2リットルのペットボトルで考えると、1,490本分もの水をトイレで使っていることになります。

(※1)参考:東京都水道局.「水の上手な使い方」. https://www.waterworks.metro.tokyo.lg.jp/kurashi/shiyou/jouzu.html(2023-10-05)

トイレの水道代はどれくらい?

水道料金は地域によっても差がありますが、厚生労働省によると1リットルあたり約0.2円です。2人世帯で1カ月あたり2,980リットルの水をトイレで使用すると考えると、1カ月のトイレの水道料金は596円、1年で5,960円、10年で5万9,600円です。(※)

短期的に見れば、それほどトイレは水道代がかかっていないように思えますが、長期的に節水を行えば、節約効果は高くなります。

※参考:厚生労働省.「いま知りたい水道」. https://www.mhlw.go.jp/content/001074491.pdf(2023-10-05)

レバー「大・小」の使い分けをする

節水方法の1つ目は、「大」と「小」のレバーを使い分けることです。

トイレには大と小のレバーがあります。1回で流れる水の量はメーカーや製品によっても異なりますが、大レバーを10リットル、小レバーを8リットルとして考えてみましょう。

2人世帯で1日1人あたり5回、計10回トイレを使用すると想定して考えます。1リットルあたりの水道料金を0.2円とすると、毎回大レバーを使用した場合と、大レバー2回・小レバー8回で使用した場合の水道代の目安は以下のとおりです。

毎回大レバーを使用大レバー2回・小レバー8回
20円/日16.8円/日
600円/月504円/月
7,200円/年6,048円/年

毎回大レバーを使用した場合は、大レバー2回・小レバー8回で使用した場合と比べて1日に3.8円、1カ月で96円、1年間で1,152円変わってくることが分かります。

ただし、基本的に大レバーは「トイレットペーパーを流す場合」、小レバーは「トイレットペーパーを流さない場合」に使用することを目的として作られています。詰まりを防止するために、トイレットペーパーを使ったら、大レバーを使って流すようにしましょう。

何度も水を流さない

節水方法の2つ目は、何度も水を流さないことです。

同居していたり来客があったりすると、トイレ中の音が気になって、何度も水を流してしまう方もいるのではないでしょうか。しかし、何度も水を流すということは、それだけ多くの水を無駄にしているということです。

1リットルあたりの水道料金を0.2円とし、2人世帯で1日10回トイレを使用すると考えてみましょう。毎回大レバー1回を10リットルとすると、1・2・3回流した場合でこれだけ水道料金が変わってきます。(※)

トイレ節水 表1

浮き球を調節する

節水方法の3つ目は、浮き球を調節することです。

トイレの給水タンクには浮き球と呼ばれる部品が付いています。トイレのタンクの水があふれないのは、浮き球によってタンク内の適切な水位を調節する役割を持ち、浮き球と同じ高さまで水がたまると給水が止まるようになっているからです。

この浮き球を調節すると、タンク内にたまる水の量を減らせるので節水につながります。ただし、浮き球の位置を下げすぎるとトイレを流すのに十分な水量が確保できないので、注意して調節しましょう。また浮き球を調節するときは、必ず止水栓を止めてから行ってください。

ここでは、水位調節リングがあるトイレとないトイレの浮き球の調節方法をそれぞれ紹介します。水位調節リングとは、浮き球の付け根をつないでいるアーム(棒)の先にあるボールタップに付いているネジに似た部品のことです。

水位調節リングがあるトイレ

水位調節リングがあるトイレの浮き球は、水位調節リングを上に引き、反時計回りで回転させると水位が下がるようになっています。水位を下げすぎないように注意して、少しずつリングを回しましょう。

1回転でどの程度水位が変わるかは、メーカーや製品によって異なります。説明書をしっかりと確認した上で調節するようにしてください。また調節した後は、水位調節リングを確実にロックしておきましょう。

水位調節リングがないトイレ

水位調節リングがないトイレの場合、まず浮き球が付いているアームの根元にあるロックナットがしっかり閉まっているかを確認しましょう。ロックナットが締まっていたら、アームの中央を少しずつ下方向に曲げます。

ロックナットが締まっていないと、浮き球が反対方向に回ってしまい、逆にタンク内の水量が増えてしまうので注意してください。

お風呂の残り湯を使う

節水方法の4つ目は、お風呂の残り湯を使うことです。

少々手間はかかりますが、残り湯は以下の方法で使いましょう。ここではトイレタンクに流し込む場合の手順を紹介します。

  1. トイレの止水栓を閉める
  2. タンク内の水量を確認し、タンクからあふれないように残り湯を入れる
  3. レバーでトイレを流す

止水栓を閉じたままにしておけば、タンク内の水が少なくなっても給水は行われません。タンク内の水が減ったら、お風呂の残り湯を足して同じように流します。

洗面所にトイレがあるアメリカンセパレートの場合、お風呂からトイレが近いため、残り湯を使いやすいです。また、毎回止水栓を止めてタンクに残り湯を入れるのが面倒な場合は、小のときだけ残り湯を直接トイレに流し入れるという方法もあります。

間違ったトイレの節水方法

巷で知られているトイレの節水方法の中には、間違った節水方法もあります。間違った方法を続けるとトイレの故障にもつながるので、これからご紹介する3つの方法は行わないようにしましょう。

無理な節水をする

いくら水道代を節約したいからといって、使用してもトイレの水を流さない、トイレを我慢するなど、無理な節水をするのはNGです。

使用したのにトイレの水を流さないままでいると、トイレのボウル内に雑菌が繁殖してしまいます。雑菌は目に見えませんが最悪の場合、体にも影響が出てしまう可能性が高いです。ニオイもキツくなるので、排尿・排便をしたら、毎回必ず流しましょう。

また、トイレの回数を我慢してしまうのも控えてください。無理にトイレを我慢すると、膀胱炎を引き起こしてしまう可能性があります。最悪の場合は手術が必要になることもあり、莫大な手術費用がかかってしまうかもしれません。

節水を心掛けることは大切ですが、体調や住環境を損ねるような無理な節水は決してしないようにしましょう。

タンクにペットボトルを入れる

タンク内にペットボトルを入れるのもNGです。

「タンクの中にペットボトルを入れておけば節水できる」という話を聞いたことがある方は多いかもしれません。この節水方法は、水を入れたペットボトルを入れておけばタンク内の水位をかさ増しできるため、節水できるという理論です。

しかし、タンク内にペットボトルを入れてしまうと、浮き球などの内部部品とペットボトルが接触してしまい、部品が破損してしまう恐れがあります。内部部品が破損すると水が止まらなくなったり流れなくなったりして、トイレの修理を行わなければなりません。

余計にお金がかかってしまうので、タンク内にペットボトルは入れないようにしましょう。ペットボトル以外のものでも、タンク内に入れるのは避けてください。

節水グッズを組み合わせて使う

節水グッズを組み合わせて使わないようにしましょう。

トイレの節水グッズとして、さまざまなグッズが市販されています。そのうちの一つだけを使うのであれば節水効果が期待できる節水グッズですが、複数を組み合わせて使うと必要な水量が流れなくなってしまうので、トイレが詰まりやすくなってしまいます。

また、十分な水量が流れないということは、トイレのボウルや配管がしっかり洗浄できません。その結果、汚れが蓄積してトイレが壊れてしまう可能性もあります。

節水グッズを使う場合は一つに限定して使用するようにしましょう。

古いトイレを使っている

トイレの節水をしても水道料金が高い場合に考えられる2つ目の原因は、古いトイレを使っていることです。

トイレは年々進化を続けており、同じ大レバーでも1回で流れる水量は以下のように変化しています。(※)

年代1回あたりの水量目安
1976年以前20リットル
1976年13リットル
1994年10リットル
1999年8リットル
2006年6リットル
2007年5.5リットル
2009年4.8リットル
2012年3.8リットル

例えば、1994年のトイレは大レバーで10リットルもの水が流れていたのに対し、2012年のトイレはたった3.8リットルです。1回で流れる水量にこれだけ差があるため、古いトイレを使っていると、思うような節水ができない可能性があります。

※参考:TOTO株式会社.「Q4 トイレでどれくらい水を使うの?」. https://jp.toto.com/company/csr/csractivity/value/q04/(2023-10-05).

トイレの買い替えをするのも一つの方法

トイレの節水方法を紹介しましたが、古いトイレを使っているのなら節水型トイレに買い替えるのも効率的な節水方法です。

前述したとおり、大レバー1回で流れる水量は、トイレの変化とともにどんどん少なくなってきています。長期間同じトイレを使用しているのなら、この機会に節水型トイレへの買い替えを検討してみてもよいでしょう。

節水型トイレで節水できる水量と水道料金

では節水型トイレにすると、どれくらいの節水効果があるのでしょうか。

先に紹介した、トイレの大で水を流したときのトイレ製造年別水量目安に水道料金の目安を合わせた表が以下のものとなります。なお水道料金は、厚生労働省のデータに基づき、全国平均の1リットルあたり0.2円で計算します。

トイレ節水 表2

さらに、1994年製のトイレと2012年製のトイレで、2人世帯が1日10回トイレを使用し、毎回大レバーで流した場合を比べてみましょう。

トイレ節水 表3

このように、1994年製のトイレと2012年製のトイレでは1日でも水道代に12.4円の違いが出て、年間では5,464円も変わってきます。あくまで単純計算ですが、従来型トイレから節水型トイレに買い替えれば、目に見えて使用する水量が減り、水道代も安くなることが分かります。

手間を掛けずに節水して水道料金を減らしたいという方は、買い替えも検討してみるとよいでしょう。

トイレの節水をしたいなら節水型トイレへの買い替えもおすすめ

本記事では、トイレにかかる水道代の目安やトイレの節水方法4選、間違ったトイレの節水方法、節水しても水道代が高い理由などを紹介しました。

家にいる限りほぼ毎日使用するトイレでは、日々多くの水が使われています。あまり節水を意識することはないかもしれませんが、塵も積もれば山となるというように、トイレの節水をすることで長期的に見るとまとまったお金を節約できます。

また今使用しているトイレが古いなら、節水型トイレへの買い替えを検討することが手っ取り早く効率的な節水につながるでしょう。本記事を参考にして、正しい方法で賢く節水を行ってください。

水回り工事・ガス工事・電気工事などを手がけている株式会社ミヨシテックは、トイレの撤去や設置、廃材処分などさまざまなトイレ工事に対応しています。LIXILやTOTOの節水トイレも取り扱っていますので、関西エリアでトイレの買い替えを検討している方は一度相談してみてください。

水回り工事の施工事例を見る